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原賀 智子; 齋藤 伸吾*
分析化学, 70(12), p.671 - 679, 2021/12
放射性試料に含まれるランタノイド(Ln)イオンやアクチノイド(An)イオンの総量を簡便・迅速・安全に分析する手法として、キャピラリー電気泳動-レーザー励起蛍光検出法(CE-LIF)を用いた分析法を開発した。本論文では、CE-LIFで機能するLn及びAnイオン検出用蛍光プローブを開発し、プローブ錯体の効率的なCE分離のための動的三元錯体平衡反応を導入した例を紹介する。アミノカルボン酸錯形成部位と蛍光団及び両部位を接続するスペーサーから成る数種のプローブ分子の中で、Ln及びAnイオンを検出可能なものを探索し、使用済核燃料中Ndイオン検出、Am-Cmイオン間分離検出及び実放射性試料中UOの特異的検出に成功した例について詳細に説明する。
北辻 章浩; 吉田 善行; 工藤 博司*; 木原 壮林*
Journal of Electroanalytical Chemistry, 520(1-2), p.133 - 144, 2002/02
定電位電解法により水相中のイオンを有機相に迅速,かつ定量的に移動させることに成功した。電解平衡後の、二液相界面へ印加した電位差と、イオン移動量との関係は、ネルンスト式で表される。なお、イオン移動量は、両溶液相中のイオン濃度の放射能測定により求めた。これにより、イオン移動量を選択的,かつ高感度に測定でき、従来の電解電位-イオン移動電流関係曲線の測定では観測できなかった難移動性あるいは極微量のイオンの移動反応にも適用可能とした。同法をアクチノイドイオンの水相/ニトロベンゼン相界面移動反応に適用し、UO及びAmのイオン移動ギブスエネルギーを決定した。また、促進イオン移動反応系にも適用し、同反応に関与する化学種や錯形成反応,イオン対生成反応などを調べた。測定したイオン移動電位に基づくと、定電位電解により、Cs/UO,Cs/Am,UO/Amを選択的に分離できることを明らかにした。
吉田 善行; 青柳 寿夫; 目黒 義弘; 北辻 章浩; 木原 壮林*
Journal of Alloys and Compounds, 213-214, p.324 - 327, 1994/00
被引用回数:8 パーセンタイル:57.78(Chemistry, Physical)イオンの異種溶液間移動エネルギー(Gtr)の測定はイオンの電荷、径、構造や、溶媒和、錯形成等の溶液化学的挙動の解明にとって、さらにはイオンの界面移動反応を利用する分離、分析法の基礎として重要である。本研究では、液々界面電荷移動ボルタンメトリーにより、多座配位フォスフィンオキサイド共存下でのアクチノイドイオンの水相から有機相への移動反応を調べた。bis(diphenylphosphinyl)methan,BDPPM,を用いて、MO,M,M(M=U,Np,Pu)の促進移動に対応する陽極波を観測した。陽極波の波形解析、移動電位のBDPPM濃度依存性などから移動反応に関与する錯イオン種(例えば[MO(BDPPM)])の同定に成功した。また同イオン移動反応に基づく、電解分離法やイオンセンサーの開発についても検討した。